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【VeraCrypt】無料でUSBメモリをパスワード付きにするツール

ITガジェット
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悩んでいる女性
悩んでいる女性

USBメモリにデータを入れて持ち歩いてるけど、無くした時が心配・・・・

この記事を執筆する少し前に、某市の委託業者が全市民40万人以上の個人情報が入ったUSBメモリを紛失したというニュースが世間を騒がせました。
数日後にUSBメモリは戻ってきたようですが、中に保存されていた個人情報が無事だったのかは判りません。
今回は万が一の時、USBメモリのセキュリティ向上に役立つ無料のツールを紹介します。

この記事を書いている人

ハンドルネーム:しまぴ
お仕事:職歴30年超、フリーのカスタマーエンジニア。
パソコン・プリンター・周辺機器の保守・セットアップが主な生業。
今までにセットアップしたパソコンは、数千台。(数えてないけど、多分)
導入経験OS:MS-DOS、DOS/V、OS/2、Windows3.1、Windows95以降の全Windows(クライアント)、WindowsNT4.0Server以降のほとんどのWindows(サーバー)、Linux等。

なぜUSBメモリが危険なのか?

USBメモリを使っている人って多いですよね?
私も使っていますが、とにかく

  • 使い勝手が良い
  • 小さくて持ち運びに便利
  • (比較的)安価

といった感じで人気です。

でも、待ってください。
よー--ーく考えてみると、

「重要なデータが入ったものを、気軽に持ち運べてしまう」

という事も言えると思いませんか?

しかも、USBメモリはとても小さいので紛失のリスクも高いというオマケつき。
ポケットから「ポロリ」したり、カバンから抜き取られたりしても簡単には気付きにくいです。

USBメモリのセキュリティ対策

パスワード付きUSBメモリを購入する

家電量販店に行くと、セキュリティ対策済みのUSBメモリが売られています。
例えば、こんな製品とか。

これはこれで安心して使用できるんですが、容量が少ない割に価格はかなりお高め・・・。
なんだか損した気分になっちゃいます。

ならば「普通のUSBメモリえをパスワード付きにできないか?」と思って調べてみると、沢山のソフトがありました。

管理人は「できればお金は使わずに、知恵と心意気で勝負したいタイプ」なので、フリーソフト(無料ソフト)でいいものが無いか探してみました。

USBメモリをパスワード付きにできるフリーソフト

使い勝手や性能で考えると、この辺りが優秀そうです。

セキュリティ・ウェアハウス-mini

SafeHouse Explorer

USBメモリーのセキュリティ

どれを選んでも目的は果たせると思いますが、更に優秀なフリーソフトがあります。

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【VeraCrypt】 をおススメする理由

今回お勧めしたいのは、【VeraCrypt】という、フリーソフトです。

他のソフトではなく、【VeraCrypt】をおススメする理由は

  1. VeraCrypt を使わないとデータが入っている事すらわからない
  2. VeraCrypt を使っても、容易に見えない隠しエリアが作れる

と言う点です。

例えば、悪意のある人間が一般的なパスワード付きUSBメモリを入手したとします。
パソコンにUSBメモリを差し込むと、パスワードを要求する画面が表示されるでしょう。
パスワード解析用ツールなどを駆使して時間をかければ、パスワードが解除される可能性は高いと思います。

しかしパソコンにUSBメモリを差し込んでも、中にデータが入っている事がわからなければどうでしょう?
悪意がある人間も、それ以上調べてみる事はしないのでは?

【VeraCrypt】は一般的な「暗号化したエリア」の中に、更に「隠しボリューム」を作成する機能を持っています。
隠しボリュームに保存したデータは、通常の「暗号化エリア」からは全く見えません。

例えば【VeraCrypt】を起動してパスワードを入力し、「暗号化エリア」に入っているファイルを確認できたとします。
でも、その中の隠しボリュームは【VeraCrypt】を通しても存在している事すら判らないのです。

例として、VeraCrypt を使って 10GBの暗号化エリアの中に4GBの隠しボリュームを作成したUSBメモリ があったとします。
そのUSBメモリに

暗号化エリア :4GBのデータ
隠しボリューム:2GBのデータ

と言ったカンジでデータを保存した場合、

合計:6GB / 10GB → 空き容量 = 4GB

ですが、暗号化エリアからは隠しボリュームのデータ(2GB)は見えないので、

4GB / 10GB → 空き容量 = 6GB

と言う風に見えます。

隠しボリュームにデータが入っていても、「データの存在が判らない」と言う安全性の高さが【VeraCrypt】をお勧めしたい理由です。

【VeraCrypt】をダウンロード&インストール

では、VeraCrypt を実際に使ってみましょう。
手順としては、

  1. VeraCrypt をダウンロード
  2. VeraCrypt をインストール
  3. USBメモリを暗号化してパスワード付きに変更
  4. パスワード付きのUSBメモリとして使う

です。
順を追って解説していきますね。

【VeraCrypt】をダウンロードする

VeraCrypt の公式サイトからダウンロードしましょう。

画面上の方にある「Downloads」をクリックして、ダウンロードページへ移動します。

今回は、Windowsパソコンにインストールして使いますので、
「Windows」下の「EXE Installer」隣にある
VeraCrypt Setupe1.25.9.exe
をクリックするとインストールが始まります。

管理人
管理人

Linux や macOS にも対応しています。
今回は Windows 版を紹介しますが、macOS版も機会があれば紹介したいです。

【VeraCrypt】をインストールする

早速 VeraCrypt をインストールしていきましょう。

管理人
管理人

今回使用するパソコンは、Windows11 をインストールしています。
Windows10 と若干画面のイメージが異なるかもですが、ご容赦を・・・


ダウンロードした『VeraCrypt Setup 1.25.9.exe』をダブルクリックします。



ユーザーアカウント制御の確認画面が表示されたら、「はい」をクリック。



インストール中に使用する言語の選択画面が表示されます。
日本語」になっていることを確認して「OK」



ソフトウェアの使用許諾画面です。
チェックボックスにチェックを入れて、「次へ」。

  • パソコンへインストールする
  • ファイルを展開してインストールせずに使う

を選択できます。
今回はインストールしますので、「インストール」が選択されていることを確認して「次へ」。



①インストール先を変更したい場合は「参照」をクリックしてフォルダを選択します。
(特に変更する必要はありません)

②インストールオプションを確認して、必要ないものはチェックを外しましょう。
「システム復元ポイントの作成」にチェックを入れると、万一インストール後にパソコンが不調になった場合に、インストール前の時点まで戻すことが出来ます。(インストール前に復元ポイントの作成処理をするので、若干時間がかかります)

管理人
管理人

復元ポイント = ゲームで言うところの”セーブポイント”みたいなイメージです。



インストール完了です。「OK」をクリック。



開発者への寄付を募る画面が表示されます。
寄付しないのであれば「OK」をクリック。


インストール後に、チュートリアル(使い方の説明)の案内があります。
「はい」をクリックすると、ブラウザーが開いてチュートリアルページが表示されます。

自信のない方は読んでみてもイイかと思いますが、英語ページなので気合が必要です・・・。

又、インストール後に英語のメッセージが表示されます。
「VeraCrypt を使うなら、Windows の高速スタートアップを無効にした方がセキュリティ上オススメ」という事みたいですね。

「はい」→Windows の高速スタートアップを無効化
「いいえ」現在の設定をそのまま

この辺りはお好みで・・・。

【VeraCrypt】を使ってみる

USBメモリを用意する

パスワード付きに変身させるUSBメモリを用意します。
手持ちの物でも、新しく購入したものでも構いません。

管理人
管理人

管理人は、「SanDisk」製を愛用してます。

:::注意:::暗号化処理の際にUSBメモリの中身は全て消えてしまいます。
データが入っている場合は、必ず別の場所にデータを退避しておきましょう。

VeraCrypt でUSBメモリを初期化&パスワードをセット

では、USBメモリを暗号化(パスワード付きに変更)していきましょう。

手順としては大まかに2ステップ。

  1. USBメモリに外殻ボリューム(大枠のエリア)を作成。
  2. 外殻ボリュームの中に隠しボリューム(通常では存在が判らないエリア)を作成。


画面イメージ付きで解説していきます。

まず、パスワード付きにしたいUSBメモリをパソコンに差し込みます。

マイコンピュータで、ドライブレター(「C:」 や「D:」といったアルファベット)を確認しましょう。

この写真では、「D:」がUSBメモリです
パソコンの状態によってアルファベットは変わりますので、注意!

管理人
管理人

このドライブレターの確認は重要なので、きちんとやっておきましょう。
間違えると関係ないドライブのデータが消えてしまいます!!

VeraCrypt を起動します。

画面の「ボリュームの作成」をクリックして進めていきます。

「非システムパーティション/ドライブを暗号化」→「次へ」
「VeraCrypt隠しボリューム」→「次へ」
「通常モード」→「次へ」



「ボリュームの位置」画面で、暗号化するドライブを選びます。
デバイスの選択」をクリック。

「デバイスの選択」をクリック。



ここでUSBメモリを選択します。
先ほど確認した「D:」を選択して「OK」をクリック。

ドライブレターと容量で確認しましょう。



元の画面に戻るので、「次へ」をクリック。

外殻ボリューム(大枠のエリア)を作成していきます。
次へ」をクリック。



外殻ボリュームの暗号化オプションが選択できます。
デフォルトの「AES」は、アメリカ政府でも採用されている強固なものなので、特にこだわりが無ければこのまま「次へ」をクリック。



外殻ボリュームの最大サイズは、USBメモリの容量になるので表示を確認して「次へ」をクリック。



外殻ボリュームのパスワードを設定します。
パスワードが短いと警告が出ますが、この辺りはお好みでどうぞ。

最大128文字まで設定できます。
20文字以上を推奨という事ですが、今回はテストという事で短めに設定。
ここは「いいえ」を選択した方が良いようです。



外殻ボリュームのフォーマット画面で暗号化アルゴリズムの複雑さが変更できます。
変更方法は、このウインドウ上で「マウスカーソルを不規則にグリグリ動かす」事。
画面下部のメーターが右端に到達するまで「グリグリ」やりましょう!

メーターが右端に到達したら、「フォーマット」をクリック。

最終確認画面が表示されますので、「はい」をクリックするとフォーマットが始まります。
フォーマットにかかる時間は、32GBのUSBメモリで30分弱といったところでした。

ちょっと奇抜な方法ですが、意外と楽しいかも。
外殻ボリュームができました。「次へ」をクリック。



次に隠しボリュームを作成します。

手順は外殻ボリュームと同じですが、注意点としては

  • 外殻ボリュームの一部として作るので、サイズは外殻ボリュームより小さくする

と言う点です。

とりあえず、全容量の約半分を隠しボリュームにしてみました。
外殻ボリュームよりも強固なパスワードがオススメ。
とりあえず今回は「いいえ」で作成。
外殻ボリュームの時同様に「グリグリ」します。
作成したボリュームは、元のドライブレター以外で使用することになります。
ボリュームができました。隠しボリュームの保護については、後で解説します。



隠しボリュームが完成しました。

隠しボリュームが完成です。

VeraCrypt を使ってみる

暗号化したUSBメモリをパソコンに挿して、マイコンピュータからアクセスしてみましょう。
Windows では認識できないフォーマット(ファイルの保存形式)になっているので、ファイルがある事が判りません。



この状態で VeraCrypt を起動します。

上部のウインドウで適当なドライブレターを選んで(写真では「M:」ドライブ)、「デバイスの選択」をクリック。



挿入したUSBメモリを選択して「OK」をクリックすると元の画面に戻るので、「マウント」をクリック。

暗号化したUSBメモリを選択します。
「マウント」をクリック



パスワードを入力すると、M: ドライブとしてマウントされます。

「M:」ドライブが出現しました。
通常ボリューム(外殻ボリューム)としてマウントされました。



ここで外殻ボリュームのパスワードを入力すると、外殻ボリュームとしてマウントされます。
隠しボリュームのパスワードを入力すると、隠しボリュームとしてマウントされると言う風に、入力するパスワードで各ボリュームの使い分けをします。

因みに、外殻ボリュームをマウントするときに指定できるオプションで、隠しボリュームの保護機能があります。
例えば、

外殻ボリューム:10GB
隠しボリューム: 5GB


の場合、外殻ボリュームが実際に使えるのは隠しボリュームの容量を差し引いた部分の5GBです。

外殻ボリュームに5GBを超えるデータを保存すると、隠しボリュームが破損してしまう恐れがあります。
このオプションを指定することで、隠しボリュームの破損を防ぐことが可能です。

「マウントオプション」をクリックして
隠しボリュームの保護にチェックを入れる

隠しボリュームの見え方

では、実際に隠しボリュームにデータを保存した場合、どんな見え方になるのかテストしてみましょう。

外殻ボリューム:約28GB
隠しボリューム:約14GB

上記の様に作成したUSBメモリを使用します。

隠しボリュームを「M:」としてマウント、約2.3GBのデータを保存しました。
「M:」の容量が約14GBで、11.7GBの空きがあるのが判ります。

データが存在することが分かる



次に「M:」をアンマウントして、外殻ボリュームとして再マウントしました。
「M:」の容量が約28.6GBで空き容量も28.6GBと、データが存在していないように見えます。

隠しボリュームに保存したデータの存在が判りません。

このように、2重のセキュリティでデータを守ることが出来るのが分かったと思います。

【VeraCrypt】無料でUSBメモリをパスワード付きにするツール:まとめ

今回紹介した【VeraCrypt】は通常の暗号化にプラスして、隠しボリュームを作成して2重のセキュリティでUSBメモリのデータを守ることができます。

これだけ高機能なのに無料で使えるというのが更にスバラシイ!!
情報セキュリティの向上に使わない理由が無いと思いませんか?
皆さんの豊かなITライフに、この記事が少しでも役立ちますように。

では、また!

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